今日はマツの剪定でした。
屋号に松があることからも分かるかもしれませんが、私は松が大好きです。
松保護士なんて一般にはまず知られていない資格まで取得してたりしますwww
松は意外に種類が多いのですが、本日は一般的な黒松・赤松・五葉松について書き綴りたいと思います。
今時新築物件はほぼほぼ洋風ですし、マンションで和風なんて探す方が難しいと思います。当然、和風建築に合うマツが新植されることは少なく、主に寺社仏閣くらいでしょうか?あるいはマツノザイセンチュウの被害を受けたりと枯れてしまったマツを植え替えるくらいしかなく、一般的なニーズから離れてきてしまっているのが寂しい実態です。それでも、日本における愛される樹木≪松≫の地位はなかなか揺らぎません。いまだに多くのご家庭に松があり、お寺のお庭と言えば松ですし、盆栽でも松は不動の地位を確立しています。
では、いざ『剪定』となると身近な松がいきなり一般の方にとって【絶対不可侵領域】みたいになってしまうのは植木職人としては毎回不思議です。確かに切るためのルールはありますし、間違うと取り返しのつかないことになるのも分かります。でも、太古の昔から身近にあった松を一般市民がすべからく皆、植木職人に剪定依頼をしてたとは思えません。もう少し気楽に松に向き合っていただけたらなぁ・・・・と思って書き綴っております。
本題に移りましょう。前述の黒松・赤松・五葉松ですが、黒松は雄松と赤松は雌松と呼ばれることからも分かるように、黒松を剪定する際はなるべく上向きに立たせた感じの枝で仕立て、赤松は敢えて下枝を切らないようにしています。そうすることで黒松はカチッとした雄々しい印象の仕上がりになり、赤松は枝垂れた柔らかい印象に仕上がります。一方、五葉松は盆栽の方が有名でしょう。逆に庭木として大きな五葉松は滅多にお目にかかりません。以前、特殊な公的施設内にあった五葉松を前職で手掛けたことがありますが、一般家庭ですといいとこ都内では2~3m程度でしょう。花が咲いたように、重ならず弾けるように仕立てるようにしています。
今は便利な世の中になりました。YouTubeという便利なものがありますから松の剪定の動画はこれでもかってほどあります。そこで、ご自身で剪定にチャレンジする場合の注意点は『目立たないところからやろう』です。職人の仕事としては、出来るだけ上から奥から手掛けるのが基本となりますが、これは手戻りを防いでスピーディに片付けながら作業するためです。自分の家の自分の松をやるのであれば、まずは目に立たない裏側の一枝を自分なりにやってみることです。その時に注意するのはもう1点『なるべく内側の芽を残してあげること』です。松は陽が当たらないと直ぐに枝が枯れてしまいます。そして枯れてしまったところより奥に枝は生えてきません。稀に生えてきますが、それは≪奇跡の芽≫といって大切にとっておきましょう。欲を言えば、その一枝で我慢して半年1年と待ってみてください。そうすることで、あとでどう変わったのか他の枝と比較検討が出来るのです。職人は時期になれば何本も何十本も切って学べますが、一般の方はそうはいきません。盆栽などでお試しするのも手ですが、実際には盆栽と庭木では仕立て方が違いますから難しいところです。
松を手掛ける一般の方が増えてこそ植木屋の松剪定が光ると思っています。空地でサッカーボールを蹴るキャプテン翼に憧れた子供たちがJリーグに繋がったように、一般の方に身近に触れる松であればこそ『職人にお願いしてみたい』に繋がるのではないでしょうか?少なくとも≪絶対不可侵領域≫となってしまっては松は人々から離れてしまう気がします。
本日依頼して下さったのはある団体の年輩の方々だったのですが、皆さん庭木いじりが好きで『松だけは手が出せない』と仰っていたのが印象に残り、つらつらと駄文を書き綴りました。
かど松では、各種の松の剪定を承りますし、剪定のコツのレクチャーのご依頼も受け付けております。お気軽にご連絡くださいませ。
0コメント