30by30 と 毎木調査

 以前も綴ったことがあるかもしれませんが、SDGsは声高に叫ばれて久しく一般の方も耳にすることが多くなったものの、こちらの30by30の認知度はまだまだです。
感覚的には1%に満たないのではないでしょうか??※環境省さん頑張って下さい。

まず、今一度《30by30》をおさらいしますと、

30by30(サーティ・バイ・サーティ):30by30とは、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向け、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標です。

簡単に言うと、『このまま自然破壊し続けたら損するのは我々だよ?せめて陸と海の30%を守らないと崩壊しますぜ??だから目標決めてみんなで何とかしようよ!』というものです。
※個人的に突っ込みたいのは、なぜ30%なのか?について言及しているものが1つもなく、それを誰も突っ込んでいないwww 語呂が良かったからかな??

30by30は分かった、でもなにすれば良いのか分からない
  ↓
ロードマップの策定(どうやって目標を達成させるか、取り組みのプランを作った)
  ↓
30by30アライアンスの発足(有志の企業・自治体・団体による有志連合の発足) 
  ↓
・保護地域(国立公園等)の新規指定・拡張を進めていき、海域公園地区は倍増させる
・OECM(企業有林や里地里山等)を《自然共生サイト》として認定する(認定制度開始)
・その認定によって、企業価値の向上や交流人口の増加を通じた地域活性化に繋げる

・・・・カタカナ、頭文字好きねぇ。
ちょっと言葉の説明も入れておきましょう。

アライアンス:同盟とか連携、組合といった意味です
OECM:「保護地域以外で生物多様性保全に資する地域」、英語でOther Effective area-based Conservation Measures、略してOECMです

自然共生サイト:国際OECMデータベース登録を目指す皆さんの所有地や所管地のことです。環境省としては、ネイチャーポジティブの実現に向けた取組の一つとして、企業の森や里地里山、都市の緑地など「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を「自然共生サイト」として認定する取組を令和5年度から開始しました。

簡単3行でまとめましょう。
◇ 自然破壊ヤバいからちょっと30by30とかいうプランに乗っかって皆で何とかしよう
◇ とりあえず要件はあるけどアライアンス(有志連合)に参加してみると良いらしい
◇ その1つの自然共生サイト認定目指してみたら地球に良いらしい
こんな感じです。

 そんな中、樹木医仲間で毎年毎木調査をしている山が自然共生サイトに認定されました。
非常に喜ばしく、また《これから》が大変であるとともに楽しみでもあります。

毎木調査で炭素蓄積量の変化を継続的に測定し、そのデータから色々なことが読み取れるようになります。毎回勉強会や座談会を通して参加者全員のベースとなる知識の向上、また未来に向けて何をすべきか討論をし、とても有意義な時間を過ごしています。

 

 個人的には、人間の生活と自然保護はトレードオフの関係であり、両方を満たすことは困難と考えます。ではどうすれば良いのか??
私としては《ゾーニング》だと思います。
例えば次の3つのような区域分けです。
人間の生活区域+資材供給のための多様性に乏しい区域+多様性に富んだ区域

自然保護が全てなのであれば人間が要らない、という極論になってしまいますが、

自然保護のために子どもたちの生活が疎かになってよい人は居ません。
かといって、今のまま自然破壊を続けていれば遠からずその子どもたちの生活を脅かします。
それと同時に他にもトレードオフがあります・・・・
多様性の確保 と 巨樹の保護
保護区域の拡大 と 利益享受者の生活
です。

例えば、巨樹の林があるとしましょう。

その林間の下層は多様性が非常に乏しいです。
人工林である杉林も《緑の砂漠》と言われるくらい下層植生は貧弱です。
※植物が限定されているので、植物食の昆虫も落葉食の昆虫も種類が限られ、それらに寄生する昆虫や捕食者も限定されます。つまり、多様性のレベルは砂漠と変わらなくなります。
故に、人間の生活のために必要な資材を得る区域(植林された山等)と本当の意味で自然が豊かな多様性に富んだ区域を分けて考えねばなりません。

それをごっちゃにして全てを多様性に富んだ区域にしようとすれば非効率になります。

具体的には
林業関係者「え・・・・、ごちゃまぜの中から杉を見つけて伐採して搬出する??採算取れないよ??」
など、弊害が大きすぎます。

また、海に関して言えば保護区域をいたずらに増やしたとしましょう。

「ここでは何も獲っちゃダメだよ!!!」
漁業関係者「ハイッ!?じゃ、俺等どうやって生活するの??」

になることは自明です。

どこで線引きしてどこを落としどころにするのか?
計画の策定や利害関係者との調整を含め、非常に難解です。
私は海に関してサッパリ分かりませんが、少なくとも緑に関わる仕事をしておりますので
専門的な知識を常にブラッシュアップして、今できるベストでなくともベターに取り組んで行こうと思いました。
このサイトをご覧になられる方(私に何か売りつけたい営業関係者以外)のほとんどは緑化事業関係者と思います。
少なくとも30by30が何なのかくらいは知っておかれるべきですし、自分なりの意見を持っておかれた方がよろしいかと思います。
※高々5~6年で2030年になりますから『30by30の後は??』にも注視したいですね、40by60になるやも・・・・www

 かど松では、緑に関する色々な調査を承っております。

漠然と《どうしたら良いのか分からない》ことでも結構です。

先ずはご一報下さいませ。

一緒に解決策を探していきましょう。



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